2009年2月20日金曜日

民族のプライド

ミャンマーでソバ栽培活動をしている先生の話を聞いた。その地方は、少数民族の集まっている場所である。ソバを収穫後、出荷するために市が立つ。皆が収穫したソバを持ち寄り、業者が品質をチェックして買い取ってくれる。集められたソバは、梱包されて工場または海外へ出荷される。

 

それぞれの村から代表が重いソバの実を担いで集まってくる。また、集まる人目当ての買い物市も立ち、皆が物々交換、または、お金で必要な物を買って村へ持ち帰る。そこに集まってくる人の衣装は、色とりどりで、おおよそ固有の民族衣装だという。そこには、部落のプライド、民族の確固たる主張がある。

 

ミャンマー、ビルマ、小さな国なのに(日本よりは大きい)、多数の民族が衣装で自らの部族を主張している。それは、可愛いとか、自分にはアチラが似合いそうだ、とか言う問題ではなく、けっして譲れないプライドを持っているのだろう。それは、日本人には理解できない。小さな村人は、そのプライドを侵す者には戦いを挑むのだ。殺し合いよりも、プライドの方が遙かに重要なのだ。だから紛争と虐殺が起こる。部族間、民族間の争いは絶えない。どこの誰だか知らない者の人命など尊ぶことはなく、自らの生まれの血筋こそが守るべき優先事項なのだ。衣装にせよ、習慣にせよ、守り神にせよ、その部族にとって大切な物は、誰にも侵させない。そのために戦いはあり、戦士はいつでも戦える。

 

ビルマは、地域の名前。ミャンマーは多数民族の名前だと聞いた。だから、自国民、出身者は、国をビルマと呼び、ミャンマーとは言わないそうだ。自分はその部族ではないから、ミャンマーの名は使わないと聞いた。

 

それも、地続きで、責めたり責められたりした歴史が育んだ自衛手段だろうか。島国ではその心配がない。それぞれ譲り合ってくらしていく。個性も部族もプライドも消えて、平穏な日々が続く。